ミドル意識調査レポート(無料レポートあり)

ライフステージが分岐していくミドル世代では、個々人の生活環境により消費傾向も異なります。また、置かれている環境が価値観、働き方、生活様式に影響を与えていることも無視できません。

日本では、少子高齢化の影響もあり2008年をピークに総人口は減少に転じています。
人口の減少と共に、日本の世帯や世帯構造も変化していく事が予測されます。

人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)2018年推計では、世帯数は2025年をピークに減少に転じ、世帯構造は、変化し今後は単身世帯が増加してくると予測されています。CCCマーケティング総合研究所では、2021年8月に30歳~59歳のT会員男女を対象としたインターネット調査を実施し3,648件の回答を得ました。調査では、生活価値観や労働意欲、お金の使い方、利用する決済手段、時間・お金の使い方など多様な項目でミドル世代の実態把握に努めました。

今回は、同居形態別(誰と暮らしているのか)に見ていくことで、現在のミドル世代が感じているリアルな思いを読み解きます。男女ともに「一人暮らし」、「配偶者・パートナーと同居」、「子どもと同居」、「親と同居」の4つの同居形態を見ていきましょう。
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ミドル世代の期待は「家庭・家族」、不安は「世の中」

図1のグラフからは、男女ともに自身の配偶者やパートナー、子どもがいる人たちは、「家庭・家族」「人との付き合い」に期待している傾向がみられます。

これは、共に歩む未来を想い描き、楽しみや期待に繋がっているように見受けられます。

また、これらの方々は、人とのコミュニケーションにも前向きな傾向が見えます。これは、自分を通じての人的ネットワークのほかに、同居家族(パートナーや、子ども)を介したネットワークが出来る事で、他の同居形態にはない出会いの場があるとうかがわれます。この家族を介したネットワークの構築は、政府が推し進める働き方改革による子育てへの柔軟な参加が促進されている結果と言ってもよさそうです。

続いて、不安をみていきたいと思います。今回の調査は、世の中、収入といった項目に高い不安が出ている事がわかります。
これは、調査実施のタイミングがコロナ禍(緊急事態宣言下)ということが影響していることも想定されますが、世の中への不安が高くなっていることは、仕事や収入があったとしても見えない要因による影響や、自身がセーフティネットでサポートしてもらえるのかといった漠然とした不安があらわになっているようです。

特に、男女ともに親と同居をしている対象者は、他の同居形態と比べ不安が高く出ており、自身と同居している親御さん(2名もしくは1名)との生活を考えている様子が見えるといってよいでしょう。


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人生100年時代の働き方を模索するミドル世代
少子高齢化で労働人口が減少していく事が想定され、また老後の資金などへの不安もあり、ミドルの労働意識は変化していく時期にきているようです。続いて、図2の労働意識を見ていきたいと思います。

まず、男女で比較して異なる傾向がみえる「社会との接点を持つために働く」から見ていきましょう。

今回、調査したミドル世代は、1986年男女雇用均等法施行後に女性が働くことの道筋を作ってきた世代が入っており社会を変革してきたパイオニアの世代だからこその強い意識が見て取れます。
また、この10年で女性の労働力率は大きく拡大しています。
労働力率とは、生産年齢に達している人口のうち、労働力として経済活動に参加している人の比率を表しており、総務省の「労働力調査(基本集計)」によると、2000年と2020年の女性30~59歳の労働力率の平均は、13ポイント伸長しています。

同時期の男性労働力率が伸長せずにマイナスに転じていることを考慮すると、女性による社会への参画はより拡大しているといってよいでしょう。

その背景には、「お金を稼ぐ必要性」や「社会との接点」と社会参画意識の高まりと、テクノロジーの変化や働き方への柔軟な対応など、職場環境の変化も後押ししていると言えるのではないでしょうか。

続いて、「家族の為に働く」を見てみると、自身のパートナーや子どもがいる層の数字が男女共に高くなっています。
また、仕事中心なのは、男性と一人暮らしの女性、プライベート中心の回答になっているのは女性という傾向がみえています。

最後に、早めのリタイア意向について見ていきましょう。
早めにリタイヤ(退職)したい層は、今回の調査では男性の各層が4割以上と高くでていますが、女性の労働力率が男性よりも低い事を考えると、女性も早くリタイアしたいと考えている層が男性と遜色なく一定数は存在していそうです。

昨今は、「FIRE(フィイアFinancial Independence, Retire Early」と言った早期リタイアに関する書籍や解説をネットメディア・SNSでも見る事が多くなりました。
主に若者が注目していると言われていましたが、この数値を見るとミドル層の一定の数は「早期リタイア」したい気持ちがありそうです。
しかし、「早期リタイア」には「経済的な自立」が不可欠であり退職後も金銭的な不自由なく過ごすためには一定の金額が必要となる事はみなさんも既にご存知のことと思います。

自身の仕事へのモチベーションや人によっては経済的な事情で、働くことを継続していきたい層も存在しています。
厚生労働省は、令和3年4月1日から「改正高齢者雇用安定法」を施行し、働く意欲のある高年齢者が活躍できる環境を目指して法整備をしています。一方で、昨今の報道でもある通り大手企業が定年45歳説を唱えており、働くミドルそして、これからのシニア世代の置かれている立場は、自身の努力だけでは解決できない不安定な要素もはらんでいそうです。
急速に進む少子高齢化と人口減少の中で、ミドル層はこれからの人生100年時代の働き方・生活の仕方を模索しなくていかなくてはいけない世代でもあります。
新しい事へのチャレンジには、不安がつきものですが、この不安は図1の「就職・仕事」の不安にも関連してくることとなるでしょう。

 今回は、ミドルの将来への期待と不安を主に労働の面から読み解いてきました。
現在のミドル世代は、いままでも常に新しい道を切り開いてきた層であり、これからも変化する環境の中で柔軟な環境対応により、新しい文化を作ってく世代となりそうです。

また、その変化する場には、新しいビジネスの種が隠れている事も我々は忘れてはいけないとおもいます。

 

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【調査設計】
調査地域 :全国
調査対象者:男女30~59歳のT会員
サンプル数:3648サンプル
調査期間 :2021年8月9日(金)~8月13日(火)
実査機関 :CCCマーケティング株式会社(Tアンケートによる実施)

ミドル意識調査は、フルレポート版(有償)をご用意しております。
詳しくは、お問い合わせください。


品名:ミドル意識調査レポート2021版
番号:21_010_001
【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所 
担当: 杉浦/齋藤